- beautokyo201608
旬のネタ探訪/とり貝
赤貝に限らず、春一番が吹き、水が温み、桜が満開になると貝が湧くように採れる。
貝の旬は「真冬」という向きもあるが、初夏の産卵を控え、旨味をたくわえ、ぷっくりと肥えたという点では、春が最盛期ともいえる。

青柳と同じく、二枚貝の身から伸びる黒味がかった薄紫色の貝脚の部分で、その姿が鳥のくちばしに似ていることから名付けられた。
また、とり貝の黒い部分は触れるとすぐにはがれてしまう。艶のある“黒”を残したまま握るのも鮨屋の技だ。
4月中旬のとり貝はまだ小さめで、これから肉付きのよいものが出回るようになる。